琵琶村モンマルト旗揚げ公演　琵琶語五流派共演　鬼伝説と源平盛衰記

板橋赤塚の美味しいピザ屋さんモンマルトに集った琵琶人、流派を越えた旧くて新しい舞台をめざして今ここに旗揚げ致します。今回は五流派揃い踏みでの羅生門の鬼伝説と源平ゆかりの演目聞き比べ、牛若丸と弁慶の奇縁の出会いから壇ノ浦合戦、勧進帳安宅の関までの物語をお聞きいただきます。各流派の個性も併せてお楽しみ下さい。

板橋琵琶勇士の会〜琵琶村モンマルト〜

公演者と演目解説

筑前　藤高理恵子／錦心流　関汪水

羅生門／茨木
時は平安、京の都で四天王の一人渡邊綱は、九条羅生門に鬼が住みつき人々を苦しめていると聞き、真偽の程を確かめるべく一人羅生門に向かいます。綱は現れた鬼神、茨木童子の片腕を切り落とすのですが、鬼は今度は老婆に化け、取られた腕を取り戻しに現れ……

薩摩　徳将城

奇縁
武蔵坊弁慶は夜な夜な京五条橋の上で道行く武士に勝負を仕掛け、それを負かして刀を取り上げていました。ある晩橋に現れたのは薄衣に太刀を佩きつつ笛吹く少年牛若丸。弁慶は大薙刀で戦いますが身軽な牛若丸に翻弄され降参、遂には主従の盟を結ぶのです。

鶴田流　榎本百香

敦盛
一の谷の戦いに敗れた平家方、退却のさなか無官の大夫平敦盛は、青葉の笛を取りに返しますが味方の船に乗り遅れ、源氏の武将熊谷次郎直実に「敵に後ろを見せるは卑怯」と呼び戻されます。潔く引き返した敦盛は戦いの甲斐なく若き命を花と散らせたのでした。

錦琵琶　五十嵐白林

扇の的
源平屋島の戦い、日が西に傾く頃平家方から軸先に扇を掲げた一艘の船が現れ、女官がこれを射よと挑発します。義経の命を受けた若き弓の名手、那須与一宗高は覚悟を決め扇に狙いを定めますが激しい波風に阻まれて……

筑前　平野旭鶴

安宅の関
文治二年如月十日、兄頼朝に追われる義経は山伏に扮して弁慶以下十一名の家来と共に奥州藤原に向けて落ち延びます。幕府が義経を捕らえんが為に設けた安宅の関で、一行を訝しんだ関守の富樫左衛門は弁慶に詰問しますが……

鶴田流　田中之雄

壇ノ浦
屋島の戦いに敗れた平家は壇ノ浦で最後の決戦に臨みます。源義経を総大将とする源氏は平家の船の漕ぎ手、舵取りに向けて矢を射ます。形勢は逆転、戦いの勝敗は決し、二位の尼は幼い安徳天皇を抱いて入水、ここに栄華を極めた平家は滅ぶのでした。